【2023年4月改訂版】セルフメディケーション税制の基礎知識

2017年1月から始まったセルフメディケーション税制

  • セルフメディケーションって何?
  • 医療費控除とどう違うの?
  • どんなメリットがあるの?
  • どんな人が利用できるの?

 

こんな疑問はないでしょうか。

この記事では、厚生労働省ホームページ
をもとに、最新の情報を解説していきます。

 

 

 

 

セルフメディケーション(自己治療)ができる症状

日常生活でよくある軽い症状に対して、自己判断で医薬品を購入し自己治療を行うことを「セルフメディケーション」と呼びます。

下記は一例ですが、具体的にはこんな症状のときに利用できます。

市販薬で治療できる症状の例

  • 頭痛
  • 鼻水、鼻づまり、花粉症の症状
  • 腰痛や関節痛などの痛み
  • 軽度の胃もたれ、食欲不振
  • 下痢、便秘
  • かぜの諸症状 (軽度の熱、喉の痛み、咳、鼻水)
  • 湿疹などの皮膚症状
  • 水虫、たむし

 

 

ただし、セルフメディケーションは自己判断での医療行為になるため、十分な知識や注意が必要です。医師の診断や処方箋を受けることが望ましい場合もありますので、体調の変化を見ながら適切な判断をしましょう。

 

当サイトでは、セルフメディケーションを行う際に必須の知識をわかりやすく解説しています。

令和4年から、スイッチOTC(もともと処方薬だった医薬品のうち市販薬に指定されたもの)だけでなく、非スイッチOTCも、セルフメディケーション税制の対象となりました令和5年4月1日時点の対象品目リストではスイッチOTCが約1600点非スイッチOTCが約2400点も対象となっています。

 

 

 

セルフメディケーションのメリット

  • 薬局に行っても薬がありすぎてわからない・・・
  • 結局病院でもらう薬のほうが強いんでしょ?
  • 子供の医療費は無料の自治体に住んでるし、病院でいいや

こんなこと考えたこと、ありませんか?

ポケット先生

待って待って!

セルフメディケーションは上手に使えばすごくいいこともあるんです。

 

 

メリット

  • 医療費の負担が軽減する
  • 病院での待ち時間、移動や予約の手間を軽減する
  • 必要なときにすぐに使える
  • 処方薬と同等の薬効成分が入っている医薬品もある
  • 自分に合った医薬品が見つかるかもしれない

 

医療費負担軽減については、このあと詳しく書きますね。

 

病院での待ち時間、辛かったことないですか?お子さん連れだったりするとなおさらです。

このご時世、病院で感染症をもらってくる可能性も十分にあります。

セルフメディケーションなら、薬局で買うかネットでポチるだけ。家にストックしておけば、必要なときにすぐに使えます

 

「病院でもらう薬のほうが強い」と思っている人は多いですが、必ずしもそうではありません。

薬効成分量が処方薬と同等の市販薬もありますし、市販薬で十分に効果が得られる人のほうが多いです。このサイトではその辺も詳しく説明しています。

そもそも病院に行っても、初診でいきなり「強い薬」を処方されるとは限りません

「こういう市販薬を試したけど改善しない」と相談してもらうことで、スムーズに必要な検査や、別のタイプの薬を提案できることだってあるんです。

 

また、市販薬は1つの薬効成分だけでなく、複数の成分が組み合わせれていることがほとんどです。

処方薬は基本的に1種類の薬効成分です。例えば「葛根湯+解熱鎮痛薬」みたいな処方薬はありません。

これは諸刃の剣(副作用も多岐にわたる)でもありますが、「風邪」のようにもともと症状が多岐にわたる病気の場合は、うまく自分の体質に合う調合の医薬品が見つかることだってあるわけです。

そういうの、見つけたくないですか?

 

 

セルフメディケーションは、政府が税制控除までして推し進めようとしている方向性です。

セルフメディケーション税制対応製品は、その有効成分を基準に登録がされています。

つまり「この成分が効くような症状は、自己治療を推奨します」と宣言しているようなものです。

自分で治療することがイマイチ不安な方も、少しは安心材料になるのではないでしょうか?

 

 

 

 

セルフメディケーションをしないほうがいい人

メリットたくさんのセルフメディケーションですが、以下に当てはまる方は、セルフメディケーションより医療機関の受診をおすすめします。

注意

  • 慢性的な病気を持っている人
  • 妊娠中や授乳中の女性
  • 重篤なアレルギーがある人
  • 過去に医薬品で重篤な副作用が出たことがある人
  • 症状が重篤であったり長期間続いている人

 

特に何らかの定期内服薬がある人は、薬の相互作用にも注意が必要です。

 

セルフメディケーション税制と医療費控除の違い

 

セルフメディケーション税制も医療費控除も、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費を所得から控除する制度です。

確定申告時に所得控除として申請ができ、所得額から医療費を差し引いた金額で税金を計算することができます。

条件や対象となる品目、控除額の違いは下の表にまとめました。表は横にスクロールできます。

対象者対象品目所得控除額最低支払額最大控除額
セルフメディケーション税制特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診
を行っている人
市販の医薬品購入額 - 1万2千円1万2千円超8万8千円
医療費控除特になし医療機関の診療費、治療費、薬剤費、医療機器、入院費用、交通費など
市販の医薬品代も含む
支払額
- 保険等の補填分
- 10万円(または所得の5%のうち少ない方)
10万円超
(年収200万円以上の場合)
または所得額の5%
(年収200万円未満の場合)
200万円

年収200万円以上で、特に持病の定期通院や入院をしていない人にとって、年に10万円以上の医療費がかかることはそんなに多くはないかと思います。

そんな人にとってはセルフメディケーション税制のハードルが低いですね!

 

ただしセルフメディケーション税制を利用するにあたっては、健康の維持増進及び疾病の予防への取組をしていなくてはいけない点には注意が必要です。

「取組」の具体的な内容は、下記のとおりです。

「取組」の例

  • 保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
  • 市区町村が健康増進事業として行う健康診査【歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、生活保護受給者等を対象とする健康診査等】
  • 予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
  • 勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
  • 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
  • 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

 

これらのうち1つでも受けていればOK

確定申告時に証明書(領収書や結果通知表)の添付が必要になってくるので、保存しておきましょう!

市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健康診査は対象にならない点には注意が必要です。

 

結局どっちがお得なの? 【シミュレーション計算機あり】

結論から言いますと、額面年収200万円以上で、下記を両方満たす人医療費控除のほうがお得です。

ポイント

  • 合計の医療費(医療機関の自己負担分 + 市販医薬品)が10万円を超えている
  • 医療機関での自己負担分8万8千円を超える

 

額面年収200万円以上で、上記に当てはまらない人は、セルフメディケーション税制のほうがお得です。

額面年収200万円未満の人はケースバイケースです。個別計算をおすすめします。

 

下に計算フォームを作ったので、参考にしてみてください!

配偶者控除や住宅ローン控除はいれていないので、具体的な納税額はもっと下がる人もいるかもしれません。ご注意ください。

 


 

 

まとめ

上記で紹介した「セルフメディケーション税制の使い方」を理解すれば、医療費の負担を抑え、健康を自分で管理することができるようになります!

では最後にもう一度復習してみましょう。

 

ポイント

  • 市販薬を購入して、軽い症状はじぶんで治療しよう (=セルフメディケーション)
  • セルフメディケーション税制を利用するためには、年1回は健診等を受けておく必要がある
  • 年の市販薬購入費が1万2千円を超え、医療機関での支払額が8万8千円未満であればセルフメディケーション税制がお得
  • 確定申告で市販薬購入費が所得から控除され、減税につながる仕組み

 

現在、約4000点の品目がセルフメディケーション税制の対象となっています。

当サイトやわたしの運営するSNSでは、Webで閲覧できるすべての添付文書に目を通し、みなさんが症状に合わせて最適な自己治療を行うヒントを書いています。

みなさんの参考になりますように!

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